かわせみのさえずり

記録のためのノートがわりに執筆しています。

日本人として考えたいこと

 ギリシャは破綻した。GDP(国内総生産)が世界第53位の国であるギリシャの財政は2009年の政権交代で旧政権(新民主主義党)が行ってきた隠蔽が明らかになり国庫債券(以下、国債)残高が年間GDPの120パーセントの額にまでに上っていることが世界中のニュースで報じられたことが記憶に新しい。その後の政権で財政赤字の改善政策を打ち出すも状況が悪化する一方であった。EUに属するギリシャは借金返済の免除、また期限の延期などを他国に交渉するなどして難を逃れたのであるがこれは実質的な経済破綻であると言えるだろう。何故なら借金が返済される保証がないからだ。つまり経済破綻の時期を遅らせたに過ぎないということだ。

    日本は破綻しない。GDPが世界第3位の国である日本の財政は国債発行額が約1000兆円でそれを買っているのは94パーセントが日本人であるといのは誰もが知っていることである。これは年間GDPの約180パーセントの額であるし、年30兆円ずつ増加している。一見この状況はギリシャよりも重大な数字ではないか、となれば日本も近い将来、財政破綻が原因で国が潰れるのではないか。私はそうは思わない。なぜなら日本には巨額の「資産」があるからである。日本国民総財産のデータが内閣府のホームページに公開されているが、そこにはそれは約1800兆円にも登る。さらにそれは年44兆円ずつ増加している。もうすでに国の歳入額が歳出額を上回っているではないか。ではなぜ日本は国債を発行し続けているのか。その理由は簡単である。日本の資産の約5割が「固定資産」であり残りの約5割が「流動資産」であるために国債を発行し、そしてそれと引き換えにお金や労働力を使うことができると、大きな事業を進めることができるからである。だから、日本は財政赤字が原因で破綻しないのである。

 しかし、残念ながら今の日本国民の中にこのことを知る者はごく少数であるのも事実である。なぜそんなことが起きるのか、それは日本のメディア、とりわけテレビ業界において問題があると言える。我が国では放送法に則って政府から定められた放送会社のみ地上波で独占的に放送できる代わりに偏りのない情報を国民に届けることが義務付けられている。しかしながら昨今のテレビ事情を思い返してみると、フェイクニュースを平気で流しファクトチェックもせずに日々デマゴギーが大量に放送されていることは言うまでもなく日本の現状のである。これは今に限ったことでも、近年の傾向というわけでもない。これはメディアが今まで続けてきたやり口なのである(こういう問題が近年取り沙汰されるようになったのはSNSなどに要因があるがここでは詳しくは言わない)。つまり、このことを国民は気付きはじめているのでテレビの情報に関心を持てないのである。それは国民が国に関心を持てないという問題の原因の一つでもある。ところがそんな現状がありながら、いまだにテレビの持つ影響力は凄まじく事実でないことをあたかも事実のように仕組むことで視聴者を簡単に騙してしまう。したがって日本に関する正確な知識が国民には伝わりにくいのである。

    これまで述べてきたことを踏まえて、私たちが考えなければならないことは、耳にした情報を鵜呑みにするのではなく批判的、懐疑的に見ることで、自分の意見を持つことである。今回で言えば、メディアは事あるごとに国債残高が年々増えていて日本は破綻寸前だ。ということだけを伝えるのはおかしな話である。これまでで私が述べてきたことに関しても同様である。一番言いたいのは人が言っていること行なっていることに何かしらの疑問を持つということだ。ネガティブなことを言っていたらポジティブなことを考え、またその逆も考える。沢山の意見があることを知り自分で考えていきたい。

 


※資料:内閣府 財政データ